システムエンジニアの待遇は良い!
おっすー。ガッチョです。
今回はシステムエンジニアの待遇と将来性についてです。
システムエンジニアを含むIT業界で働く人たちの印象として、「残業が多い」「メンタルが病む」といったネガティブワードで括られることが多く、不安な方も多いと思います。
では、実際にはどのような待遇となっているのでしょうか。
私が10年以上システムエンジニアとして働いてきた中で感じることは、巷で騒がれているほど劣悪な待遇ではないということです(正確には一部極端に劣悪な会社・現場・人間関係が原因でやり玉に上がることが多い、といった印象です)。
むしろ、年収も高い上にキャリアアップで更なるプロフェッショナルとして輝ける道もあるため、この記事で皆さんのシステムエンジニアに対する負の印象が取り払われれば嬉しいです。
年収は他職種と比べて高めでトップ10%に食い込む
月収は「47.7万円」年収は「684万円」
では、まず皆さんが気になるであろう年収について、先にお伝えします。
厚生労働省の調査結果によると、令和5年度のシステムエンジニア(資料の表記は「システムコンサルタント・設計者」)の平均月収は「47.7万円」となっており、年収に換算すると「684万円」です。
(引用:e-stat 令和5年賃金構造基本統計調査)
なお、値の見方としては以下の点に注意してください。
- 月収は手取り額ではなく額面であること、また、超過労働(いわゆる残業)分が含まれていること
- 年収は年間賞与(いわゆるボーナス)分が含まれていること
また、年齢別の平均値も載せておきます。
- ~19歳:該当なし
- 20~24歳:月収28.6万円、年収373万円
- 25~29歳:月収37.5万円、年収511万円
- 30~34歳:月収43.7万円、年収627万円
- 35~39歳:月収48.8万円、年収747万円
- 40~44歳:月収48.9万円、年収698万円
- 45~49歳:月収52.9万円、年収784万円
- 50~54歳:月収54.7万円、年収793万円
- 55~59歳:月収59.5万円、年収848万円
- 60~64歳:月収51.9万円、年収717万円
- 65~69歳:月収31.9万円、年収420万円
- 70歳~:月収38.0万円、年収490万円
収入が高いのは、やはり40代後半~50代の管理職クラスであることがわかりますが、転職を視野に入れている方のボリュームゾーンは20代~30代前半と思われますので、そこにフォーカスしてみます。
20代~30代前半の年収は500~600万円に達することがわかります。これは、他職種の同世代と比べても低くない数字であり、手に職を付けるエンジニアとしては理想的な水準ではないでしょうか。
また、職種横断でもシステムエンジニアの立ち位置を見てみます。すると、システムエンジニアは145種類の職種の中で12番目に収入の高いことがわかりました。
(ちなみにトップ10にはパイロットや医師、大学教授等の大御所が並んでいます。)
意外と高収入だなー、という月並みの感想は置いておいて、システムエンジニアも上位職種と同様に、高度な専門知識を扱う職種のため相応の年収になっていると考えられます。
言い換えれば、歳を重ねても技術畑であることに変わりはないので、自己研鑽を怠らないようにしましょう!
ところで、プログラマ(資料の表記は「ソフトウェア開発者」)の平均月収は「38.5万円」、年収は「557万円」となりますので、年収の差だけで言うと「127万円」となります。
それだけシステムエンジニアは「広い仕事領域を担っている」わけであり、言い換えればやりがいがある仕事だとも言えます。
この差を大きいと見るか小さいと見るかは皆さん次第ですが、胸を張ってシステムエンジニアとして働いていくためには、この事実は頭の片隅に入れておくといいかもしれません。
残業やメンタル不調といったマイナス面も意外と少ない
残業時間は「11時間」
年収同様、上記調査結果によると残業時間の平均は「11時間」となっています。
また、年齢別の残業時間についても見てみると、以下のとおりとなっています。
- ~19歳:該当なし
- 20~24歳:15時間
- 25~29歳:21時間
- 30~34歳:10時間
- 35~39歳:15時間
- 40~44歳:9時間
- 45~49歳:11時間
- 50~54歳:5時間
- 55~59歳:8時間
- 60~64歳:7時間
- 65~69歳:0時間
- 70歳~:0時間
20代後半の21時間はやや多いですが、それ以外の年代で抑えられていますね。
年収が高いのに残業が少ない50代は、管理職(労働基準法における「管理監督者」)が多いので、残業しても残業代が出ないこと点が影響していると思われます。
私個人としては、正直「11時間」という結果については少し懐疑的です。
なぜなら、システムエンジニアが世間一般的に言われている「残業が多い」というイメージは、私も同意するところだからです。
皆さんには、世のシステムエンジニアはもっと残業していると思ってもらって差支えありません。私の周り(他社含め)に聞いた感じでも同様の印象ですので、この点はお伝えしておこうと思います。
ちなみに、ここ最近の残業時間の推移についてですが、少し遡った2010年代には月の残業時間が20時間を超える年もありました。しかし、ここ数年は月10~15時間を行ったり来たりしています。これは、最近になって世間に浸透し始めた働き方改革の影響が大きいです。
特にIT業界はプロセスの効率化による生産性向上が著しいため、職場での無駄を少しでも削減できれば、自分自身が早く家に帰ることができる上、皆さんの上司は多いに喜ぶことでしょう!
精神障害の労災請求数は全体の4%
続いて、職業柄多いであろう精神障害についてです。
こちらも厚生労働省が公開している資料になりますが、令和4年度の労災請求件数は「情報通信業」が2683件中118件と、全体の約4%というかなり少ない数字になっています。
なお、この資料だけでは各業種に携わる人の母数が不明なのでなんとも言えませんが、「医療・福祉」「製造業」等と比べると件数自体が少ないことはわかります。
私の感覚としても、周りでメンタル不調をきたしている人はほとんどいませんので、第一印象に違和感はありませんでした。
システムエンジニアのキャリアパス例(3種類)
システムエンジニアの好待遇がわかったところで、その後のキャリアについても一例として以下の3つを解説します。
- プロジェクトマネージャ
- ITコンサルタント
- フリーランス
プロジェクトマネージャ
まずはプロジェクトマネージャです。
プロジェクトマネージャは、プロジェクト(システムを開発するチームやメンバの集合体)の中で、顧客との契約締結や折衝等を行う、プロジェクトを管理するのが役割の人です。
数人~数十人の要員が下に付くことが多く、プロジェクトマネージャがYESと言ったら、良くも悪くもプロジェクトの指針はYESになるくらい影響力の強い人です。
稀にプロジェクトマネージャ自身も開発していることもあります。
ですが、開発してないで全体管理することに集中してほしいですし、それに対してNoと言えるシステムエンジニアになりましょう・・・。
システムエンジニアとしてチームやプロジェクトでの経験を積んでいる最中に、「今の上司(プロジェクトマネージャ)のようになりたい!」と思えば、その流れでキャリアアップする形が一般的です。
ITコンサルタント
続いてITコンサルタントです。
こちらは、プロジェクトマネージャとは毛色が異なりますが、ITを活用した顧客の経営課題を解決する専門家です。
システムエンジニアの本質である「顧客の課題を解決する」は同じですが、ITコンサルタントは顧客の経営課題の解決に向けて、より高度な知識を用いて顧客に提案・助言していくことになります。
ITコンサルタントと顧客が会話して経営課題が明確になったところで、次のステップとしてそれをシステムで実現するために顧客とシステムエンジニアが会話している、という進め方もあるでしょう。
システムエンジニアとして顧客の課題に寄り添う中で、「そもそもシステム化の方向性がこうだったらな・・・」「自分だったら、こう提案するのにな・・・」という思いが多くなってきた方は、ITコンサルタントを目指すのも良いかもしれません。
フリーランス
最後にフリーランスです。こちらは職種というよりは、働き方の違いになります。
フリーランスとは、特定の企業と長期雇用関係を結ばず、案件ごとにさまざまな企業と契約を結び、業務を遂行することで対価として費用を受け取り、それにより生計を立てる個人事業主のことである。
引用:NTT東日本 用語辞典
要は会社に属さず、自分の能力で食っていく人のことです。サバイバーです。
システムエンジニアで培った能力を、独立して発揮していくことになります。
「システムエンジニアは好きだけど、もっと自由な働き方をしたい」という人にうってつけです。
働き方の違いなので、「フリーランスのシステムエンジニア」もいますし、私の経験上、組織に属しているシステムエンジニアよりかなり頼りになります。サヴァイヴしてきただけあります。
以上のように、システムエンジニアの待遇面としては年収も他業種より多く、キャリアパスとしても高度な専門知識を活かせる職種が揃っているため、皆さんの不安も解消されたのではないでしょうか。
将来性もあり、明るい未来が待っている
IT革新は続き、需要は絶えない
では、将来性はどうなのでしょうか?
それについては、システムエンジニアの将来は明るいと言えそうです。
なぜなら、今後も企業によるIT分野への投資は続くものの、その反面でIT人材の不足が顕在化・問題視されるようになってきています。
ITエンジニアの不足が過去最悪レベルで推移している。
引用:日経XTECH ITエンジニア不足は過去最悪水準に、SIerを取り巻く危機の構図
システム構築需要にIT業界の就業人口の伸びが追いついていない。
同時に、日本企業は「2025年の崖」と呼ばれる問題にも直面しており、DXによるシステム構築・刷新が急務だと言われています。
この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性
引用:経済産業省 DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(サマリー)
毎年12兆円という、どこかの国家予算レベルの経済損失が発生すると言われており、国としても本腰を入れざるを得ない状況になっています。
そのため、システムエンジニアの未来は明るいものになると予想され、希望の職種に就きやすい売り手市場も続くと考えられます。
AIの台頭により仕事がなくなる!?
しかしながら、皆さんの中にはこういった話を聞いたり思ったりしたことがある方もいるのではないでしょうか。
- 「AIの発達によって、システムエンジニアの仕事が奪われるのではないか?」
- 「今は何でも生成AIが代替してくれる。本当に需要は続くの?」
そうです。近年目まぐるしい発達を遂げているAIの登場により、今後システムエンジニアの立場がなくなるのではないか、という不安です。
これについてですが、私の意見としては「現状ではAIの台頭による影響は少ない」と考えています。
なぜなら、AIが作ったものを最終的に確認するのは人間だからです。
皆さんは、生成AIで作った文章を何も確認せずに流用することはありますか?
一部の方を除き、生成AIによって作られた文章に全幅の信頼を寄せている方は少ないかと思います。
その上、正式な書類であればなおさら確認が必要になると私は考えています。
また、生成AIはソースコード(プログラム)についても指示を出せば作り込んでくれますが、それについてももちろん同様の理由からそっくりそのまま使いまわすことはできないはずです。
また、以前の記事でもお伝えしたように、システムエンジニアは顧客が抱える課題を解決する人であり、プログラミングをするのが主な仕事ではありません。
プログラマであればいざ知らず、システムエンジニアの仕事全般がAIに取って代わられるような時代はすぐには来ないでしょう。
文章の校閲や添削までもAIが担うような未来では、ブルーカラー・ホワイトカラー問わず、仕事はAIに取って代わられていると個人的には思います。正にSFの世界ですよね・・・。
(それでもシステムエンジニアの仕事としては一部領域だけですが)
まとめ
システムエンジニアの平均月収は「47.7万円」、年収は「684万円」であり、収入が比較的高いだけでなく、月の平均残業時間も「11時間」とそこまで極端に忙しい職種ではないことがわかります。
キャリアとしては「プロジェクトマネージャ」や「ITコンサルタント」、さらには「フリーランス」まで、高度な専門知識を活かした幅広い働き方を目指すことができます。
さらには将来性も良く、今後も需要がどんどん増加する職業と言っても過言ではないでしょう。
皆さんを待っている人たちはたくさんいます!
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